泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

ボランティア言説

「ボランティア」の誕生と終焉 ?〈贈与のパラドックス〉の知識社会学?

「ボランティア」の誕生と終焉 ?〈贈与のパラドックス〉の知識社会学?

 大著。今日届いて、いま序章だけ読んだが、たぶんボランティア言説をたどったものとしては例を見ないものだろう。これでも博論の一部。
 自分は10年ほど前までボランティア研究をしていたので、提起されている先行研究(特に社会福祉学系)の問題点に強く共感できる。方法論が粗雑な時代だった。自分なりに修士論文や投稿論文などで克服も試みたものの、大したインパクトも残せずに終わった。
 それにしても、何らかの対象の歴史を社会学的に研究しようとするときに方法として言及せずには済まなくなってしまった(かつ、それを採用しないならば理由を明示せねばならなくなった)という意味で、赤川学流にしろ佐藤俊樹流にしろ言説分析は大きなハードルであるなあ。本書の採用した「弱い知識社会学」の成果はこれから確認。でも、今月はもう読むヒマないかも。