泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

田舎の議員

 どうやら来月の需給調整に関して、最悪の事態はまぬがれそう。ただ、先送りになっただけ。
 最近、いろんなところからの郵送物が増えてきたのだが、アンケート調査の回答用紙や、研修の案内などに混じって、まったく接点のない地元共産党からの封書が入っていた。宛名が「特定非営利法人」と間違っている時点で、かなり暗い気持ちになるのだが、中身は次年度予算について議会に提案したいことがあれば教えてくれという内容。議員名とそれぞれのメールアドレスが列記。
 設立5年目にして、この議員さんたちに「意見を聞くに値する団体」として選んでいただけたのならば喜ぶべきなのだろう(昨年度までは無かったことだし)。しかし、残念ながら事業化・予算化してほしいことがあれば、直接行政に企画書持っていく。長い期間をかけて、担当課長に事業の必要性を訴える。データを出せと言われれば、出す。
 議会の内容は議会だよりとして自治体の広報誌といっしょに住民のもとへ届けられている。いつも一通り目を通すが、はっきり言って、議員の知識水準の低さには絶句するものがある。制度についても知らないし、運用の実態についても全く知らない。住民の誰それが私にこう話した、という内容が一気に一般化されて、住民全体の要望のように、議会で主張される。制度についてわかっていない住民が、わかっていない議員に相談した結果、無茶としか思えない要求が当然の権利であるかのように言われる。障害者自立支援法ひとつとっても、質問・要望すべて的外れ。関係者はみんな失笑しているはずだ。
 近隣の自治体では実施されていないような先駆的な事業を、起債制限もかかっているような自治体が単費で必死にやっているのに、そのサービスをもっともっと拡大せよとずっと噛み付いている。各種制度の相互関係をわかっていないし、現在の課題が行政側にあるのか事業者側にあるのかもわかっていない。保育や障害者福祉において、理解に苦しむようなクレームや要望が住民から自治体に多数寄せられていることも知らない(先日は、保育所に寄せられるクレームの例をいくつか聞いたが、まさに「モンスターペアレント」である)。
 大赤字の田舎の自治体としては相当な努力をしているし、それは近隣の自治体を見れば明らかであろうに、もはや共産党としてのプライドを賭けた、反対のための反対である。以前、首長選挙では、現職に対立候補を立てて「現職の首長は、国の福祉政策に従うばかり」みたいなことまで言っていた(大差で敗北)。熱意ある担当課長がこのまま責められ続けて、もし異動にでもなろうものなら、住民にとってもっと悲惨な事態が待ち受けているであろうということもわかっていない。こんなことだから、この地域の事業者は政党・議員といっさい関係を持とうとしないのである。
 少なくともこの地域では、議員よりも自治体職員のほうが何倍も優秀で信用できる。それは果たして、この地域にとって良いことなのだろうか。なんだか地方議会の存在意義がよくわからなくなってきた。