泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

参院選2007マニフェスト比較

 介護保険・障害者福祉関連部分を主に取り出すと、こんな感じです。
 まずは野党から。
民主党
http://www.dpj.or.jp/special/manifesto2007/pdf/manifesto_2007.pdf

5. 介護サービス基盤の拡充
 介護保険制度は国民の共同連帯の理念によって成り立つものです。親族など特定の介護者に負担を強いるのではなく、介護を必要とする人に良質なサービスを提供できる体制を維持することが必要です。2005年の介護保険法改正後、特に介護予防において、従来受けることのできたサービスが受けられないという問題が起きています。ホームヘルプサービス福祉用具の給付中止だけでなく、介護報酬が引き下げられ、事業者の運営に影響が生じた結果、介護従事者の労働条件も悪化しています。また療養病床の再編により、胃ろうや吸痰行為など、医療ニーズの高い患者が早期退院を迫られる事態が生じています。民主党は介護報酬を適切に見直し、療養病床から無理やり退院を迫られることがないような措置を講ずるとともに、受け皿となる介護施設の整備を早急に実施します。
 また、財政が厳しい状況でも、必要なサービスは引き続き受けられるよう、介護基盤整備を最優先します。特に在宅介護推進のため、ホームヘルパーやケアマネージャーの増員、専門性を高める施策を講じ、労働条件を向上させ、介護が必要な人が安心してサービスを受けられるようにします。グループホームの増設なども行います。
6. 障がい者自立支援制度などの抜本改革
 「障害者自立支援法」の施行(2006年4月)に伴い、福祉サービス利用時の定率1割負担や食住費の自己負担が導入されたことから、障がい者の中には急激な負担増に耐えられず、サービス利用を中止したり、抑制するケースが出ています。施設を退所し、一切のサービスも利用せず、自宅で過ごすような状況では、障がい者の自立した生活と呼ぶにはほど遠く、現行法は「障がい者自立阻害法」と言わざるを得ません。
 民主党は現行法に基づく介護給付・訓練等給付に対する定率1割負担を凍結し、支援費制度と同様、応能負担に戻して、障がい児・者福祉サービスを維持します。そのため、2007年1月、「緊急避難のための障害者自立支援法等の改正案」を提出、また、3月に提出した「格差是正緊急措置法案」にも同様の内容を盛り込みました。
 精神障がい者政策について、保健医療と福祉全体のレベルアップをめざして、「病院から地域へ」という流れを確実なものにします。とりわけ72,000人の社会的入院患者の社会復帰に向けて、関連サービスの整備を含め、諸施策の拡充に取り組みます。
 現行の障がい者政策・法制度は、身体・知的・精神と障がい種別ごとに分かれ、ここに該当しない障がいや難病などに対応できていません。これを抜本的に見直し、包括的な「障がい者福祉法」を制定するとともに、障がい者福祉予算を拡充します。

共産党(長いです)
http://www.jcp.or.jp/seisaku/2007/07saninseisaku/101-kobetsu.html

1 社会保障
3、「介護とりあげ」をやめさせ、誰もが安心して利用できる公的介護制度をめざして改善をすすめます
 2005年に自民・公明にくわえて民主まで賛成して成立した改悪介護保険法のもとで、高すぎる保険料・利用料、必要な介護サービスのとりあげ、深刻な施設不足と待機者の急増、介護労働者の労働条件の悪化など、さまざまな問題が浮き彫りとなっています。
 施設の食費・居住費の全額自己負担化によって、負担の重さにたえきれず、施設を退所したり、利用をあきらめる人があとをたちません。特別養護老人ホームの待機者も全国で38万人をこえていますが、それに療養病床の廃止による施設からの高齢者追い出しが拍車をかけ、深刻な事態となっています。
 軽度と認定された人から、介護ベッドや車イス、訪問介護通所介護など、高齢者の生活と命をささえてきた介護サービスが「予防」や「自立支援」という名のもとにとりあげられています。家族の介護負担は増え、介護を苦にした悲惨な事件や、高齢者の孤独死などもあとをたちません。
 介護予防や保健福祉の事業が「地域支援事業」として介護保険に吸収され、公的な責任と行政の財政負担は後退しました。各地の介護予防事業は閑古鳥が鳴いている上に、地域の高齢者の実態を把握し、介護予防や虐待防止などのとりくみの中心になるとされた地域包括支援センターも、介護予防プランの作成で手一杯というのが実態です。社会的な支援を必要としながら、介護制度や社会福祉の網の目からこぼれ、地域のなかで貧困にたえ、困難をかかえて暮らす高齢者が増えています。
 その一方で、改悪介護保険法にもとづいて、介護報酬が削減されたため、事業者の経営も苦しくなり、介護労働者の労働条件はますます劣悪になり、辞めていく人があとをたたず、深刻な人材不足が介護現場に広がっています。
 いま、介護保険制度は、国民的な存在意義という点でも、制度をささえる人材という点でも、ゆらいでいる深刻な実態となっています。日本共産党は、施設利用料の実効ある軽減措置を講じること、軽度者もふくめてすべての高齢者が人間らしく生きていくことを支える介護サービスを守ること、「地域支援事業」に十分な公費を投入して、地域包括支援センターの活動をはじめ、行政が高齢者の生活にたいする公的責任をしっかりとはたすことなど、改悪法による「介護とりあげ」、負担増などから高齢者を守る改善に全力をあげます。
 また、コムスンの不正問題では、「介護難民」が生まれたり、現場で真剣に介護にとりくんできた労働者が雇用不安に陥らないように、自治体自身がサービスを提供することもふくめて、国が自治体を支援し、公的な責任をはたすことを求めます。コムスンのような「ディスコも介護も同じ」といい、違法脱法行為をくりかえしてきた業者を、“市場原理にまかせたほうが福祉サービスの質が向上する”と言って業界最大手にした国の責任は重大です。介護をはじめ社会保障を「市場原理」「規制緩和」一辺倒の世界にしようとしてきた「構造改革」をあらため、利用者の権利と生活を守り、利用者の立場にたった介護サービスにしていくために、今回のコムスン問題の教訓を政治にいかします。
 さらに、民主党の強い要求で検討されてきた介護保険料の徴収年齢の引き下げや障害者福祉の介護保険への統合、財界などが主張している利用料の2割への引き上げ、軽度と認定された人を介護保険の対象から除外するなどの、さらなる介護保険の大改悪にはきっぱりと反対します。
 そして、介護を受ける人も、介護をする人も、誰もが安心して利用できる介護制度の実現にむけて、次のような改革を提案します。
 ──国庫負担をふやし、介護保険料を抑えるとともに、利用料・保険料の減免制度をつくります。
 ──保険料・利用料のあり方を、支払い能力に応じた負担にあらためていく
 ──必要な介護を利用して在宅で生活をつづけることをさまたげている要介護認定と利用限度額のあり方を抜本的に見直し、改善します。
 ──特養ホーム、生活支援ハウスなどの計画的整備、ショートステイの確保、グループホームや小規模多機能への支援など、在宅でも施設でも、住み慣れた地域で安心して暮らせる基盤整備をすすめます。
 ──地域に暮らす高齢者の生活を行政がつかみ、総合的にその生活をささえていくために、地域包括支援センターの活動などを充実させます。
 ──介護・医療・福祉などの連携をすすめ、国と自治体の責任で高齢者の健康づくりをすすめます。
 ──介護労働者の労働条件をまもり、改善するために、介護報酬の改善などにとりくみます。
 ──これらの財源を確保するために、介護給付費の国庫負担割合を計画的に50%まで引き上げることをめざします。当面ただちに、25%から30%へと引き上げます。
4、障害児者、難病患者の福祉を拡充します 
 06年4月に障害者自立支援法が施行され、福祉サービスや自立支援医療(更生、育成、精神通院医療)に原則1割の「応益負担」が導入されました。障害者が人間としてあたりまえの生活をするために必要な支援を「益」とみなして負担を課すという「応益負担」は、憲法や福祉の理念に反します。障害が重い人ほど負担が重くなり、負担に耐えられない障害者はサービスを抑制しなければならず、将来を悲観した親子心中事件まで起きるほど、障害者と家族が苦しめられています。報酬単価の引き下げや日払い化で施設・事業所の経営は苦しくなり、廃園に追い込まれた施設もあります。「福祉は人」なのに、福祉労働者の離職や労働条件の悪化が深刻になっています。
 こうした現状にたいして、史上空前の運動で障害者自立支援法を見直せと立ち上がった障害者団体の努力などによって、政府も、08年度までの期限付きですが、利用料を軽減するなどの1200億円の「特別対策」を実施せざるをえなくなりました。
 日本共産党国会議員団は、06年、全国256の障害児者施設・事業所の協力でアンケート調査を実施し、2回にわたる「緊急要求」を発表しました。国としての実態調査を小泉首相(当時)に約束させました。国のこの調査でも負担増を理由に入所・通所施設の利用を中止した人が1625人(07年2月政府調査)にも達していることが判明しています。
 障害者自立支援法は“自立支援”どころか“自立阻害”の法律であることがますます明らかになっています。日本共産党は、障害者自立支援法の大幅見直しと「応益負担」の撤回を求めます。
 障害者予算の抜本的な増額を求め、在宅や施設サービスを大幅にふやすなど、地域生活の基盤整備を集中的にすすめます。小規模作業所への支援策を、国と自治体で講じます。施設・事業所への報酬を増額し、日額払いを月払いに改めます。障害程度区分認定を実態に見合ったものに改善します。大企業に法定雇用率を守らせるなど、就労の保障をすすめます。
 介護保険料の徴収年齢を引き下げて、国民に負担増を求めるとともに、障害者福祉のサービス水準の低下も招く、介護保険と障害者福祉の「統合」に反対します。
 無年金障害者への特別給付制度が05年4月から開始されていますが、障害基礎年金と同額に改善するとともに、年金制度の枠内で解決することを求めます。
 交通や建物などのいっそうのバリアフリー化をすすめます。
 在宅投票制度の対象拡大、政見放送の字幕表示、点字広報や点字記載の投票用紙の配付など、障害者の参政権を保障します。
 難病、発達障害高次脳機能障害など、すべての障害児者を対象とする総合的な「障害者福祉法(仮称)」を制定します。「障害者差別禁止法(仮称)」を制定し、障害者の「全面参加と平等」を実現します。
 「障害者権利条約」が国連で採択されました(2006年)。日本でも、条約の批准が求められています。障害者自立支援法をただちに見直し、障害者差別禁止法や障害者福祉法を制定するなど国内法制を整備し、条約を批准させることが不可欠です。日本共産党は障害者団体と力を合わせて運動をすすめます。
 2006年、政府は難病のパーキンソン病潰瘍性大腸炎の患者9万人を医療費助成制度から切り捨てようとしましたが、大きな世論と患者団体などの運動で断念しました。社会保障予算削減のために、難病患者さえ切り捨てる政府のやり方は許されません。難病関係予算を抜本的に増額し、新規の難病認定をすみやかにすすめ、治療研究をすすめます。すべての難病患者や長期慢性疾患者、小児慢性疾患児の医療費助成制度を抜本的に拡充します。

社民党
http://www5.sdp.or.jp/central/seisaku/manifesto07s.html

充実の医療 ささえあう 福祉
7.介護保険料と利用料のアップ、生活援助や福祉具利用の制限など、介護保険制度への不満、不信が募っています。低所得者にとって利用しにくい仕組みとなっている介護保険制度を抜本的に立て直します。介護保険の利用料を所得に応じて軽減します。
8.サービスを一手に牛耳り、介護保険を喰いものにする大手民間介護事業所の問題を、制度の欠陥と捉えて是正していきます。
9.がん治療水準の向上と均てん化、肝炎や難病への支援強化に取り組みます。リハビリの日数制限を廃止します。
10.「障害者自立支援法」を抜本的に見直し、障がいが重いほど、負担が増す“応益負担”をやめて、“応能負担”にします。地域の基盤となる障がい者施設、作業所の報酬の改善を図ります。国連「障害者権利条約」の早期批准と、関係法の抜本的見直し、「障がい者差別禁止法」の制定に取り組みます。障がいをもつ人が参加しやすい選挙に向け、当事者の参加する研究会を設けます。

国民新党
http://www.kokumin.or.jp/seisaku/senkykouyaku.shtml

【教育予算の拡充】
・障害者・児が保護者および本人の希望で一般の学校・大学で学べるよう、施設・人員の整備を図り、自立支援を強化する。

新党日本
http://www.love-nippon.com/manifesto.htm
よくわからず。

公明党
http://www.komei.or.jp/election/sangiin07/policy/jutenseisaku2007.pdf

(5)介護―「介護予防」で元気な長寿を実現
■ニーズが高まる認知症高齢グループホーム、小規模多機能施設など、地域の実情を踏まえ、必要な施設体系の整備・充実を図ります。
■療養病床の再編成を踏まえ、老健施設等への転換支援など地域ケア体制の整備・充実を図ります。
高齢者の介護保険料について、所得の変化や税制改正による急激な負担増を回避するため、現行の所得段階別保険料を見直し、所得比例方式へと改めます。
■難病やがん末期の要介護者などに対し、医療機関訪問看護ステーション等と連携してサービスを提供する「療養通所介護」を本格的に実施する体制を整備します。
(6)障害者福祉・共生社会めざして
発達障害者支援法の施行を踏まえ、早期発見・早期療育・教育・就労等、地域における一貫した支援体制の構築を図るとともに、発達障害支援センターを全都道府県に整備します。
■地域生活における障害者の生活基盤となるグループホームや福祉ホームを2007年度末までに6・5万人分の整備を進めます。小規模作業所の新事業体系への移行支援を行い、地域における作業活動の場などの受け皿づくりを推進します。
■福祉的雇用から一般就労への移行推進のため、トライアル雇用、職場適応援護者(ジョブコーチ)の拡充により、2008年度に行われる障害者雇用実態調査において、雇用障害者数を60万人にすることをめざします。
障害者自立支援法に基づく「就労移行支援事業」の全国展開を図るとともに、障害者の就業及び日常生活に係る助言・相談等を実施する「障害者就業・生活支援センター」の倍増をめざします。
■活字文書読み上げ装置や音声コードの普及など、視覚障害者のための情報バリアフリー化を推進します。また、選挙公報等の全文の点字化・音声コード化を図り、視覚障害者に配布できるようにします。
■JR・高速道路等交通機関の障害者割引に、精神障害者も対象に加えます。

自民党
http://www.jimin.jp/index.html

〈日本型社会保障制度を構築するために〉
062. 介護保険制度の着実な実施で老後不安の解消
介護保険制度の定着を図るとともに、高齢者の方々がより長く、元気に生活を楽しめるよう、介護予防を推進する。また、できる限り住み慣れた地域での生活が継続できるよう、地域密着型サービスなどを拡充し、「地域ケア」体制を構築する。同時に、認知症高齢者対策や、ユニットケアの推進等による施設サービスの質の向上にも積極的に取り組む。
064. 障害者施策の充実・拡充
障害者施策については、障害者サービスの利用をさらに促進するため、利用者負担の軽減や事業者への激変緩和など、1,200億円の特別対策を実施したところである。今後は、障害者福祉施策の充実・拡充を目指しつつ、「障害者自立支援法」の円滑な運用のための制度の見直しを含め、障害のある方が安心して暮らせるよう取組む。