泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

無能だから居座らねばならない

経営者は苦しいときほど絶対に逃げ出せない立場であるのだ。 辞められる経営者というのは、辞められる環境を作り上げられたか、すでに辞められる環境の中で地位についた者だ。 無能な創業者で、他に経営者を育てることにも失敗した自分は責任を背負い続けな…

検査その後

大腸内視鏡。何も見つからなかった。ごく小さなポリープ2つ程度。ほっといてもよい、と。 いくつか自覚症状的なものがあったために検査に至ったのだが、何も見つからなかったのだから、もう何も考えないことにする。ずっと節制していたので、中性脂肪や血糖…

近況

無事でいるかと疑われるかもしれないので、更新。 メンタルの調子は悪くない。少し認知を変えるように心がけたことをきっかけに、前向きになりやすくなったと感じている。 客観的に見れば、状況はよくない。常勤職員が介護離職した。あっという間の出来事だ…

孤独は極まる

これがSNS疲れなのだろうか。書けたほうがよいことはあるのに、長い文章を書く気になれない。 ずっと体調が悪かった。メンタルではなく、フィジカルの悩み。来月、検査。今日はメンタルがきつい。つらいことが続く。ひとりで悩まなければいけないことばかり…

「普遍的なルールを順守させる」責任を背負った教育を観て

世間ではあまり話題になっていないのだけれど、映画『みんなの学校』をご存じだろうか。 大阪の住吉区にある「大空小学校」の教育を取材したドキュメンタリー映画で、制作は関西テレビ。フジテレビ系列局ではテレビ放送もあった。「平成25年度文化庁芸術祭賞…

「子育て支援」の境界を崩す

・障害児の親の会と学生たちで行う活動のおつかれさま会。参加が合計40人ちょっとか。 ・おそらくこの種の活動は廃れていく。それは活動の意義がなくなったということではない。ただ、意義を感じにくい時代になっていくだろう、ということ。 ・この活動のフ…

知らぬ間に「ソーシャルワーク」の定義が変わっていた

・ソーシャルワークの国際定義が知らないうちに変わっていた。大学を離れ、専門職団体に属さず、学会誌にもちゃんと目を通さないと、こうなる。 ・少し詳しく調べようとして、ネットを漁ってみるが、反応しているのは「専門職団体」と社会福祉士の国家試験対…

体調悪い。

「適応」を目標にしてはならない

ケース会議の論点が見えない状況にもやもやしながら、なぜこうなってしまっているのかと考える。 報告をまとめようと書き始めて気づく。やはり文章は自分をごまかせない。 問題点をみんながオブラートに包んで述べる。それがのらりくらりとかわされる。今は…

「個別化した支援」への誤解

「マニュアル化した支援ではダメだ」という人が、体系化された支援の方法論をそのまま放棄してしまうことがある。典型的にはTEACCHの「構造化」嫌いの人たち。 「個別化」が大事だ、と言うのはみんな否定しない。問題は、「個別化」が「マニュアル化」の対義…

夏休み1週目

テレビやDVDくらいしか楽しめるものがない子どもの余暇を組み立てるのは大変だけれど、それさえも楽しめないのはもっと難しい。 「感覚」的な刺激を楽しむ子どもは多いけれど、そこに長く没頭できる子どもばかりでもない。自立課題だって、そんなに長くは続…

チョコミントの練習問題

ずっとその店に行くことはなくなっていた。彼がお気に入りだったチョコミントアイスの販売が終わってしまったからだ。彼は重い知的障害を伴う自閉症児である。 店のおばちゃんやおねえさんはすっかり顔なじみだった。ただ、どの商品を売るのかについての権限…

「障害児」になるとき「障害児」にならないとき

facebookで書いたことの使いまわしだけれど。 公園で発達障害の子どもや低学年の子どもを引き連れて遊んでいるときの彼は「障害児」ではない。 でも、学校では、そろそろ「障害児」と呼ばれかけているし、おそらく本人の困り感も強くなっているだろう。 学習…

「介護労働が低賃金」という教科書の問題点

教科書の「介護は低賃金重労働」、修正要望−関連6団体が出版社に http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150713-00000004-cbn-soci 福祉現場からすれば、教科書でまでネガティブな情報ばかりを流すのは勘弁してほしい(加えて、このニュースをYahooのトップに…

「落ち着かない」の曖昧さと服薬

これで時間ができるだろうと思ったのは勘違いだった。負担感の大きかった仕事が一段落ついただけで。 ばたばたする合間のケース会議に出ながら、「薬」に頭を悩ませる。 保護者からの訴えに応えて服薬がはじまったとき、確かにこの場合はうまく薬を使ってい…

やっと一段落

ずっと気にかかっていた助成事業(改修工事)の監査が終了。 500万にも満たないぐらいの金額ではあったけれど、貴重なお金だった。良い場所に良いハードを造るのに、ありがたく使わせていただいた。頂いた金額でどうやら確定である。ありがとう、競艇。 物件…

加害者が信じる「救済」が誤りであるとして

元少年Aの手記出版について、辛辣な批判が目につく(それに同調しない主張に対しても)。 少年A 神戸連続児童殺傷事件加害者の手記「絶歌」のあとがきに怒りに震えた http://quadstormferret.blog.fc2.com/blog-entry-224.html はてなブックマーク - なぜ、…

被害者は子ども

看護師6人一斉辞職 鳥取の養護学校 生徒10人通学できず(産経新聞) http://www.sankei.com/west/news/150608/wst1506080071-n1.html「保護者厳しすぎ」養護学校の看護師全員が辞職願い(テレ朝ニュース) http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/article…

とても忙しい

税務が終われば、請求。助成金の監査も近いうちに。 はじめて税理士さんのお世話になり、税務に関する自分の知識はそんなに間違っていないとわかったものの、彼が数字を処理していく速さには全くついていけないともわかった。切羽詰ってお願いしてよかった。…

「障がい者」表記は人々のイメージを変えうるのか、という研究

さて、千葉市長の発言が話題になっているようだ。 千葉市長が「障害者」にこだわる理由 「障がい」「障碍」論争に一石 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150525-00000002-withnews-soci もう、このテーマは障害者支援業界では何度となく繰り返し議論され…

学ばせたいのは「役に立つこと」か「ただわかること」か「わかる喜び」かそれとも

中学校の学校開放があるというので、支援学級を見に行ってみる。 50分にわたって、一問も解けないプリントを前に放っておかれる生徒。教員は板書した問題を他の生徒が解くのにずっと付き合い続けている。途中で近づいてきて1分くらいだけ指導するが、やはり…

追いつかない多様化

就学前の療育をはじめて最初の就学先の選択にいくらか関わるようになり、もう5年ほどが経つ。中学をどうするか、という悩みにも付き合っていくことになるのは必然だ。そして、中学の選択は、もっと先から逆算されたりするから、高校選択とも深く結びつく。 …

人といっしょに楽しめる遊びを探す

知的・発達障害のあるお子さんに「カタン」で療育したケース http://togetter.com/li/815740 自閉症のあるお子さんの集団参加を促すアナログゲーム http://togetter.com/li/817247 うちの法人は知的障害の重い子どもたちの支援からはじまり、近年は知的障害…

給与規程の改定案を作りながら思う

職員の暮らしを考えながら作っていくと、社会保障的な発想に近づく。年功序列でも、業績評価でもなく、世帯の状況に合わせた給与を払いたくなる。 すると、基本給が控えめになり、手当が増えていく。ふだん嫌っている加算ばかりの請求を思い出し、複雑なもの…

世間とは逆

3日間で4万歩。休みなしのゴールデンウィークは体力との戦い。 そこに報酬改定後はじめての請求事務が加わる。利用者負担の受領額を上限内に調整するためのファックスが他事業所から送られてくる。放課後等デイ事業所も担当者は出勤しているのだろう。うちは…

発達理論から見た発達障害

そだちの科学 24号―こころの科学 特集:発達障害と発達論的理解作者: 小林隆児,滝川一広出版社/メーカー: 日本評論社発売日: 2015/04/10メディア: ムックこの商品を含むブログ (2件) を見る 精神医学において「発達障害」と「発達理論」が「まったくつながっ…

2人いるから苦労も2人分、ではない。

「きょうだいそろって自閉症」というのは、まったく珍しくない。そのような家庭の相談が続いた。 子どもの障害の程度にもよるけれど、自閉症児が同じ家に2人いると、大変さも2人分、ではない。それぞれへの対応に加えて、子どもどうしの特性がぶつかりあった…

ああ、そうか。

このしんどさは、すべて支援者としての糧なのだ。そんなふうに考えられてこなかった。 子どもたちへの支援に専念できず、事務や経営ばかりに時間とエネルギーを奪われて消耗していくことはひどく無駄なように思える。しかし、衰えていく心身も、過重な労働も…

集中できない。気力わかない。

でも、やらねばならない仕事は増え続ける。誰も相談に乗ってくれない仕事も増え続ける。焦っても、追いつめられても、がんばれないのが最近の特徴。そして、ますます仕事はたまる。

「子どもの貧困」対策を「障害児」の支援者が見たら

貧困のなかでおとなになる作者: 中塚久美子出版社/メーカー: かもがわ出版発売日: 2012/10/01メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る ひょんなことからひとり親家庭の支援に関わることになりそうで、読んだ。 これまでも「当たり前の暮らし」と…