泣きやむまで 泣くといい

知的障害児と家族の支援からはじまり、気がついたら発達障害、不登校、子どもの貧困などいろいろと。関西某所で悩みの尽きない零細NPO代表の日々。

基礎・応用・エビデンス

発達障害の臨床心理学 (叢書・実証にもとづく臨床心理学)作者: 東條吉邦,丹野義彦,大六一志出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2010/01/01メディア: 単行本 クリック: 11回この商品を含むブログ (1件) を見る エビデンスベースドの発達障害研究について…

珍しく障害児の放課後関連の研究だと思ったら

学会誌、届く。 匿名で人様の論文についてとやかく言うな、と言われかねないので悩ましいのだが、事実誤認については放置するわけにもいかない。 三好正彦(2009)「障害のある子どもたちにとっての学童保育 ――社会的インクルージョンの可能性――」『社会福祉…

「知的障害者」のケアをめぐって

中根成寿(2006)「家族ケアを構成する二つの資源―知的障害者家族におけるケアの特性から―」『立命館人間科学研究』第11号、137-146。 http://www.ritsumei.ac.jp/acd/re/k-rsc/hs/hs/publication/files/ningen_11/11_137-146.pdf なんというか、有斐閣アル…

個人と環境

行動科学が発展していくと、対人援助の方法論はだんだんと一点に集約されていく気がする。福祉と心理の壁が壊れるのは、よいことなのか、悪いことなのか。

嘆き

「だ」と「である」が混在しているのがダメって何だ。そんなルール聞いたことないぞ。この人は「です」と「ます」が混在しているのもダメだって言うのだろうか。ああ、評価されたくない。

おととい本屋で見つけた

ヒューマンサービス調査法を学ぶ人のために作者: 加茂陽,中谷隆出版社/メーカー: 世界思想社発売日: 2008/10メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 7回この商品を含むブログ (3件) を見る なんというか、いい意味でも悪い意味でも独走態勢に入った感じの研究…

歪まされる研究

社会福祉の大学院というところは、多様な立場の者がともに研究をする場である。後輩と言っても、人生においては大先輩であったりする。その後輩もそうだった。現場での経験は長い。現場で重要なポストを担うところまで働いた人だ。豊かな実践経験を手に、研…

対象論

年始のとみたさんの更新がとても活発になっていて、システム論の話とか「市場の中で企業と競争しないNPO」の話とか、魅力的なテーマが並んでいる。そして、昨日は社会福祉研究にとって古くて新しい問題提起が。 社会福祉とは??? http://totutotu.seesaa.n…

読み終わった

某先生の未発表稿読了。面白かった。障害学におけるimpairmentとdisabilityの関係についての議論って、フェミニズムにおけるsexとgenderについての議論と重なるなあと、改めて思う。ジェンダーフリーについての誤解と、「社会モデル」に対するある種の批判が…

幕開け?

知的障害の障害学、と呼んでよいであろう某先生の未発表稿を入手。これから読む。とても面白そう。英語文献の引用たくさん。これが自分の言いたいことをすべて言っている論文だったら、もっと他のことを考えよう。それにしても、英語文献をこれだけ集めて読…

障害学会

障害学会第4回大会 http://www.arsvi.com/ds/jsds2007.htm ネット上で知り合ったもののお会いしたことはない方たち、院の後輩など、たくさん出る。こちらも気になる発表がたくさんあるが、やはり仕事で行けそうにないので、ウェブ上で読める報告原稿でがま…

社会福祉学会

日本社会福祉学会のプログラムが届く。 仕事で行けないことは既に確定。発表する知り合いもいる。がんばってほしいが、そんなことよりプログラムを一通り読んで、なんともやるせない。 発表分野(この区分も難しいが)の中で障害者福祉の分科会が最多。 そし…

「発達」をどう捉えるのか

野崎泰伸さんの「障害の哲学・序論」を読んだ。 http://d.hatena.ne.jp/gordias/20070401/1175383822 これから、広大な領域に及ぶ研究が展開されるのだろうと思う。序論とはいえ、大変に重要なテーマをたくさん含んでおり、自分のような者が軽率に発言できる…

包摂と排除

渡会知子(2007)「相互作用過程における『包摂』と『排除』」『社会学評論』57(3):600-614. 自分にとっては、とても面白い、ということの備忘メモ。

ケアの分有化

中根成寿(2005)「障害者家族におけるケアの特性とその限界」『立命館産業社会論集』40(4),51−70. http://www.arsvi.com/0w/nn01/050331.htm 「家族(特に親)がやってきたケアを、そのまま単純に社会に担わせようとしたって、子どもをケアするというこ…

二元論

実家では、『思想』1985年11月号「新しい社会運動〜その理論的射程」を読んでいた。高橋徹「後期資本主義社会における新しい社会運動」、山口節郎「労働社会の危機と新しい社会運動」、長谷川公一「社会運動の政治社会学」、片桐新自「戦後日本における運動…

高齢者と社会運動

安立清史(2005)「福祉NPOの展開と福祉社会学の研究課題」『福祉社会学研究』2,12-31. とても慎重に書かれているので内容についてあれこれ言うところはない(そもそも研究動向のレビューであるし、無難なまとめ方でもある)。NPO研究者は「高齢者介護NPO(…

縦と横の交わるところ

サマースクール初日。いまだ大学は試験中のために学生スタッフの数は十分でないし、初参加の子どもは多いし、障害はますます多様化するし、なんだか全体としての一体感がもてないまま一日が終わった。落ち着くまでにはもう少しかかりそう。 養護学校の先生か…

カタカナ多いな

芝野松次郎(2005)「エビデンスに基づくソーシャルワークの実践的理論化:アカウンタブルな実践へのプラグマティック・アプローチ」『ソーシャルワーク研究』Vol.31 No.1,20-29. 最近、ソーシャルワーク研究業界で実証路線を「独走」気味の関西学院学派(そ…

運動と道徳

小松丈晃(2004)「不安のコミュニケーション―社会システム理論とドイツ運動研究」『社会学研究』第76号,5-28. メモ。 ・・・ルーマンは、この「不安のレトリック」のある重要な側面を指摘する。機能的に分化した社会においては、社会全体を代表しうる場所…

「役に立つ」ということ

中河伸俊(2005)「ラウンドテーブル報告 応用構築主義と批判的構築主義―構築主義の有用性?―」『フォーラム現代社会学』4,75-81. 昨年の関西社会学会?のラウンドテーブル報告。行きたかったけれど行けず、当日配布資料だけ入手できていたが、この報告でな…

岡村重夫アゲイン

白澤政和(2005)「岡村理論とケアマネジメント研究」『ソーシャルワーク研究』Vol.31 No.1,30-38. この業界なら言わずと知れたケアマネジメント研究の大御所による論文。 ソーシャルワークの最終段階を分析したものとして岡村理論を評価しつつ、援助過程の…

SW研究の行方

大学に行って、論文を20本ほどまとめてコピー。休学中もコピーカードが使えるとは思っていなかった。学科の書庫にも入れるし、なんだか休学前と何も変わっていないような気がする。 大橋謙策(2005)「わが国におけるソーシャルワークの理論化を求めて」『ソ…

社会福祉研究の壁

鬼崎信好(2005)「社会福祉学研究の動向と展望」『社会福祉研究』第92号,91-95. なんだかここで書かれているのと同じようなことがもうずいぶん長い間言われてきているような気がするのだが、全く前進していないように思えてならない。そして、10年後も20年…

障害の社会モデル批判

後藤吉彦(2005)「障害者/健常者カテゴリーの不安定化にむけて―障害学における新たな機軸として―」『社会学評論』55(4),400-417. なるほどジュディス・バトラーとつなげるか。インペアメントの社会的構築を言うのは昨今の構築主義の議論の流れからすると…

記録

空き時間に論文を読む。 狭間香代子(2005)「社会福祉実践における記録の方法」『社会福祉研究』第92号,30-37. 1-1では、実践過程において、記録が単なる情報の保存にとどまらず、実践を評価させる機能を持っていることを指摘して、実践過程における評価の方…

「概念」についてのメモ

http://d.hatena.ne.jp/jasmine156/20050601 コメント欄で教授するほどの自信も確信もないので、自分のブログにあくまで自分の頭を整理するために書いてみる。 自然科学はもちろん、社会科学においても概念定義の重要性が否定されることはまずないだろうと思…

ソーシャルワークと社会理論

第一章「ソーシャルワークにおける日常性」再読。日常性とソーシャルワーク (SEKAISHISO SEMINAR)作者: 加茂陽出版社/メーカー: 世界思想社発売日: 2003/03メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログ (3件) を見る 以前読んだはずだけれ…

備忘メモ

昨日の日記で書いたカテゴリー化の難しさについて、グラウンデッドセオリーを復習していたところ、「画期的な方法なんだよ、すごいだろ」的な内容に次第に腹が立ってきて、以前から抱いていた「実践者にとっての『新しい情報』がここから生まれるんだろうか…

読了

社会変動の中の福祉国家―家族の失敗と国家の新しい機能 (中公新書)作者: 富永健一出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2001/08メディア: 新書購入: 4人 クリック: 76回この商品を含むブログ (24件) を見る エスピン・アンデルセンが積ん読状態になっている…